RNブレイク手法の「模範チャート」解説
手法2「RNブレイク戦略」は、ラウンドナンバー(RN)に価格が接近したときのブレイクを狙うスキャルピング手法です。
成功の鍵は、どの場面でブレイクを仕掛けるかにあります。
本記事では、公式ルールブックで定義されている条件と、模範チャート資料で示された事例を組み合わせて、「模範例」と「避けるべき例」を徹底的に比較しながら解説します。
1. 📌 RNブレイク戦略の基本原則
RNとは「145.00」などのキリの良い価格帯を指します。
市場参加者が意識しやすいため、ここを境に値動きが加速することが多いのです。
ただし、RNを抜ければ必ず伸びるわけではありません。
重要なのは、ブレイク前に十分なエネルギーが蓄積されているかどうかです。
公式ルールでは、以下の条件を満たすときに出動可能とされています:
- ⏳ RN直前に明確な揉み合い(エネルギー蓄積)があること
- 💥 大陽線(または大陰線)でRNを実体ブレイクすること
- 🎯 押し目/戻り目でEMA13にタッチした地点からエントリー
- ⏱️ 利確:+10pips、損切り:-10pips、最大保有30分の固定ルール
- 🚫 除外条件:
- ⏰ ブレイク後に25pips以上進んでいた場合は「遅すぎる」
- 🧱 直近10pips以内に上位足抵抗帯がある場合は回避
- ↩️ 戻りや押しがブレイク前地点に戻されている場合はエントリー禁止
2. 📈 模範チャートの特徴
ここで、まず「模範となるチャート」を見てみましょう!
どこでもよいので、ご自身で「典型的なRNブレイクの成功例のチャート」を探してみてください。
そして、その「模範チャート」の形を頭に叩き込むのが重要なことなのです。
例えば、以下の模範例では、RN直前で4時間以上の横ばい(収縮)が発生していました。
これは「市場が様子見をしてエネルギーをため込んでいる」典型的なパターンです。
(クリックしたら拡大します)
- 🧊 ローソク足が小さく、ヒゲも少ない → 静かな蓄積相場
- 🧵 上位足のEMA群が束になり方向感なし
- 💥 ブレイク足はそれまでの足よりも明らかに大きな大陽線
- 🎯 初回のEMA13押し目でエントリーするのが教科書的正解
このように「収縮 → 拡散」の力学が働いているとき、RNブレイクは最も高い成功率を持ちます。
3. ⚠️ 避けるべきチャートの特徴
一方で、避けるべき例は模範例とは真逆の構造をしています。
- 🚫 RN到達直前まで強い上昇トレンドが走っている
- 🚫 すでに値幅を使い切っており、勢いが残っていない
- 🚫 EMA群が拡散済みで、EMA100も傾斜している → 「もう伸び切った後」
- 🚫 ダブルトップを形成して失速
- 🚫 EMA13タッチはあるが、押し目ではなく「走り切った後」なので反落して終了
このような局面は「最後の力で抜けただけ」であり、RNを超えても伸びが続きません。
結果として高値掴みになりやすい典型的パターンです。
4. 🔍 模範例と避けるべき例の比較
ポイント | 模範例 | 避けるべき例 |
---|---|---|
ブレイク前の動き | 4時間以上の揉み合い、収縮 | 直前までトレンドが走っている |
EMAの状態 | EMA群が束、方向感なし | EMAが拡散済み、傾斜あり |
ブレイク足 | 明確な大陽線で実体抜け | 最後の力で抜けただけ |
押し目の質 | 初回のEMA13押しが理想 | すでに走り切り → 反落 |
全体の印象 | 「誰も動いていない → 抜けた瞬間ドカン!」 | 「走り切った相場の終盤」 |
5. 🧠 心理的な落とし穴
多くのトレーダーは「RNを抜けたらさらに伸びるはず」と考えがちです。
しかし直前にすでに大きなトレンドが走っていた場合、相場はむしろエネルギーを使い果たしていることが多いのです。
焦って飛び乗ると、結果的に「高値掴み」や「最後の一振りをつかまされた」形で終わります。
これは典型的な希望的観測バイアスによる判断ミスです。
6. ✅ チェックリスト(再現可能な判断基準)
- ⏳ RN直前に4時間以上の揉み合いがあるか?
- 🧵 EMA群が束になっているか?
- 💥 ブレイク足は明確な大陽線/大陰線か?
- 🎯 エントリーは初回のEMA13押しに限定しているか?
- ⛔ 直前に走り切った相場ではないか?
7. 💡 小技!模範チャートをパウチしてみよう!!
模範チャートを頭に叩き込むための小技として、
私はこの「模範チャート」をラミネーターでパウチして、ディスプレイの横に置いています。
エントリー前には必ず現在のチャートと照らし合わせ、条件に合致しているかを確認するようにしています。
この方法には次のようなメリットがあります:
- 🔁 毎回の確認が習慣化する: 感覚的な飛び乗りを防ぎ、必ず模範形と比較してから判断できる。
- 🎯 「絶好球以外は打たない」姿勢を維持できる: ルール未満の場面をスルーする力が強化される。
- 👀 視覚的記憶を強化できる: 模範形を繰り返し目にすることで、瞬時に正しい相場構造を判別できる。
- 🧘 冷静さを取り戻すトリガーになる: 感情が揺れた場面でも、一度見比べる「儀式」で判断をリセットできる。
- 📏 行動の一貫性を担保できる: 毎回同じ基準で比較するため、振り返り時にも再現性のある記録が残せる。
- 📈 学習の進捗を実感できる: 模範形と実際の相場を日々比べることで、成長の手応えを得やすい。
模範チャートを単なる資料として眺めるのではなく、こうして「毎回確認せざるを得ない環境」に置くことで、自然と習慣化されます。
おすすめの実践小技です。
8. 📝 まとめ
RNブレイク戦略で狙うべきは、収縮から拡散に変わる初動のみです。
誰も動いていない停滞から一気に動き出す瞬間こそが「絶好球」であり、最も再現性のあるトレードができます。
一方で、すでに走り切った相場の終盤でRNを抜けても、勢いは続きません。
そこでのエントリーは高値掴みを招きやすく、避けるべき典型です。
「絶好球しか狙わない」ためには、この模範例の条件を徹底的に意識し、走り切った相場を確実にスルーするスキルを養うことが重要です。
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